akimalu’s diary

あきまる挑戦記

文学

逢魔が時に迷い込む草鞋売りの話【時喰いばばあ】

古来から夕方の薄暗い時間帯は「おうまがとき」(逢う魔が時)(大禍時)とよばれ、えたいのしれない魔物や妖怪に出会ったり、いちじるしく不吉な災禍を被りやすくなる時間であると信じられてきました。 太陽(黄)が昏くなる黄昏時になると異界と現実とをつ…

死してなお愛深し【頭白上人と子育て幽霊】

いわゆる霊的な体験っていうんでしょうか、そういうの過去に一度だけあります。 生きているはずのない人にぐうぜんに会って話せたんですが、他人の空似で別人だったのか、夢だとわからないくらいリアルな夢だったのか、あまりの驚きと衝撃で、記憶と妄想がこ…

【幸福な王子】胸が苦しくなるラスト救済!鉛の心臓がもたらしたものとは?

オスカー・ワイルド「幸福な王子」が大好きです。 オマージュとはいえアレンジするのもおこがましいのですが、最後のシーンがどうにも切なくてオマージュでアレンジしました。 okanelevel1.com 博愛と献身の美しい物語ですが、王子の自己犠牲をどうしても昇華…

【さるかに合戦】柿の実をめぐる欲望と悲劇から相互依存の可能性を学ぶ

【桃栗三年柿八年】って諺がありますが、じっさいに桃栗は3年くらい、柿は6、7年くらいで実がなるみたいです。 だいたいあってる。 言葉を額面どおり受けとると、桃栗=けっこう早い、柿=まぁまぁ時間かかる、って感じです。 ただ、その「けっこう早い」…

日本社会の戯画のような【ブレーメンの音楽隊】を脚色したら甘くほろ苦いテイストに

歳をとると、だれだって体にすこしずつ不具合がでてきます。 あちこち痛んで、思うように動けなくなって、病気しがちになります。 気が滅入ったりもするでしょう。 「生きる意味」をあんまり意識しないで駆け足で生きてきたらなおさらです。 そんなときに、…

昔話【金の斧】を先物買いした夢のあるきこりの話に再構築しました

うそをつくと痛いめにあうし、ひどく損することもあります。 だから正直に生きたほうがぜったいいいです。 痛いめにあわないですし損もしない。 でも正直に生きていたらかならず報われるかというとそういうわけでもない。 世界なんて矛盾だらけだから正直云…

キリギリスに知性があったら【アリとキリギリス】はどんなふうに変わったか創作しました

アリとキリギリスの話には小さい頃から馴染んできました。 アリは働き者。キリギリスは遊び人。 いまでもアリを見るとよく働くやつらだなぁと感心するし、キリギリスを見ると葉っぱ食べて飽きずにぴょんぴょん跳ねるパリピなやつらだなぁと思います。 かんぜ…